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サスティンループの設定作業を超絶短縮できる発明してみた

こんにちは!ジーアングルサウンドチーム・オリジナルプロダクションmiuGです。

miuG(ミューグ)は、株式会社ジーアングルのサウンドトップクリエイターが提案する、クオリティ追求に特化したサービスです。 素材として消費される音楽ではなく、記憶に残る音楽作品を求める方々に向けたブランドを目指しています。

今回は私たちmiuGのメンバー、「松本タケシ」(通称:マツタケ)が新たに発見した、この業界のサウンドに関わる方がおそらくぶつかっているであろう「サスティンループ」の設定方法について記事にしてみました!

・ループを設定するとノイズが乗っちゃう!助けて!
・綺麗にループできた!でも時間掛かりすぎ!助けて!

…などなど、ループ設定で困ってるそこのあなた、
ぜひ記事をチェックしてみてください!

目次

ループ設定に時間がかかってしまう…!

登場人物①:ループ設定に悩むプロデューサー・小林

登場人物②:そんな悩みをズバっと解決するコンポーザー・マツタケ

ループ設定をするとき、ブツッとノイズが乗っちゃって何度も設定し直したり、聴感上では問題ないと思っても、よくよく波形をズームしてみると雑に繋がっていたり…。
あと、ついついBGMを聴いてしまってループ設定に集中ができない!

邪念なくサクサク綺麗にループポイントを設定する方法

ってないですかねえ、マツタケさん!

結構時間かかりますよね。僕も悩んでました。でもこの前発見したんです!効率よく、全くノイズなくループが出来る方法!

な…なんだって!?

ループ問題を解決するExcelを作ってみた

綺麗なループの条件って二つありますよね。
一つはゼロクロスポイントであること。
もう一つはループのお尻と頭が全く同じ波形であること。

その理屈はわかるんですけど、探すのにとっても時間がかかるんです…。

そう、お尻と頭、二箇所のゼロクロスポイントを探すから時間が掛かっちゃうと思うんです。

でも、1ループ分の長さが判ってしまえば、一か所選ぶだけで自動的にもう一か所も算出されるはずなんです。

つ、つまり…?(ごくり)

手動で適当に打ったループポイントを自動補正して、正確なループポイントを算出してくれるExcelを作ってみました。

これがあればループポイントの問題は解決です。(どや!)

自動補正ですか!

そうなんです。
例えばBPM60の曲って1拍=1秒って決まっていますよね。
48kHzは1秒間のサンプルレートが48,000なので、BPM60で48kHzのwavを調べたときに、ループ範囲のサンプル数が1,440,000だとしたら、1,440,000/48,000=30秒(30拍)でループする楽曲だと判るんです。
※ややこしかったらここはなんとなくで把握してください!

なるほどね、でもそれと自動補正と何の関係があるんですか?

そのBPM60の曲を聴きながら手動でループマーカーを打ったとします。手動は必ず誤差がでるので、下記みたいな適当な値になると思うんです。
START「0,048,597」
END 「1,487,856」

ちなみにこの時のSTARTからENDまでの範囲は「1,439,259」になります。(ENDマイナスSTART)

数字細かすぎて眩暈がしてきますね。

数字の細かさは一旦無視しちゃってください。

テンポ情報とマーカー範囲が判ればそれが何拍の曲か分かるので、BPM60にあてはめてみると、「1,439,259」=29.9846拍なのがわかります。

こんな半端な拍数の曲無いですよね。

まさか…!

そう、ここで導き出された拍数を四捨五入すると、30拍でループする事が判ります。

その30拍をサンプルレートに当てはめると、「1,440,000」という数字が導き出されるんです。

なるほど、という事は、STARTのゼロクロスポイントにその数字をプラスすれば、自動的にENDのサンプルポイントが導き出されるんですね。

そうなんです!この計算をExcelにまとめたみたのがこちらです。

これに数値を入力するだけでループポイントがすぐ見つかります。

試しに小林さんも使ってみてください。

曲を聴かなくても正確なループポイントを算出

こ、これは…

今までは 5分以上かかっていた作業が、1、2分でパパッと終わっちゃいました。

曲を聴かなくても、見た目だけで正確なループポイントが割り出せる

ってすごい!

わざわざ波形を拡大して探す必要がなくなりますよね。

ループポイントのことを考えてない制作者の方って意外と多いと思うんです。

メーカーの方も、手元にある楽曲のループ情報が判らなくて困ることがあるじゃないかなぁと。

みんな専門外のところで時間を使っちゃうのはもったいないと思うんですよね。

そんなときにこのツールを使ってもらうと、一瞬で数値を出すことがで出来るようになります。

突然ループポイントを入れてくれと言われて困っちゃった人向けにこのExcelを配布してみたいと思いますので、ぜひみなさんもダウンロードして使ってみてください!

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【ダウンロード】サスティンループ算出 自動算出Excel
※ファイル→ダウンロード→Microsoft Excel を選択して、ダウンロードして使ってください!

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ちなみに変拍子にも対応しています。

拍数を算出してるって話をしましたが、同じ理屈で1/16の分解能にも対応しています。プログレも怖くありません。

曲を聴かなくてもループポイントが打てるってほんとに画期的です。

これでループポイントを入れる時間が半分以下に短縮されますね!

ただ万全ではなくて、BPMが変わる曲は対応できないです。

それ以外は問題ないので、8割方の楽曲には対応出来るんじゃないかと思います。

次の目標は、テンポフリーの曲でもループがとれる仕組みを作ることでしょうかね!

そこまでできたら特許申請ですね!

(いや特許は難しいんじゃないかなぁ…)

最後までお読みいただきありがとうございます!

そんなわけで、お久しぶりのマツタケです!

今回はサスティンループの効率化のお話をしましたが、普段はサウンドディレクターとして作編曲からディレクション、耳コピまでやっています。
音のことならお任せあれ!お仕事お待ちしております。

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松本タケシがサウンドディレクターを担当させて頂きました、「わるい王様とりっぱな勇者」の公式サイトが2月25日にオープンしました!

https://nippon1.jp/consumer/waruiosama/

サイト内に松本のインタビューも載せて頂きましたので、ぜひチェックしてみてください!!

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