目で読む原稿と、耳で聞くナレーション用原稿は、同じで良いとは限りません。耳で聞くと難解な漢字や、同じ読み方でも複数の意味を持つ熟語はたくさんあります。それらを音声のみで判断することは難しいでしょう。
そこで今回は、ナレーション原稿の書き方や作り方についてご紹介します。ナレーションの制作を依頼しようと考えている方は、参考になさってください。
ナレーション原稿の書き方のコツ
ナレーション原稿を書く際はできるだけ無駄な言葉をなくし、シンプルな文章にするのがコツです。
内容を詳しく伝えようとするほど、文章が長くなりがちです。そのため、できる限り簡潔な文章を心掛けましょう。
具体的には、下記の2点に気を付けて原稿を書くよう心掛けてください。
■漢字や熟語を簡単なものに言い換える
ナレーション原稿で使用する漢字や熟語は、できるだけ簡単なものに置き換える必要があります。
ナレーションを聞いたときにすぐ理解してもらうためには、同じ読み方でさまざまな意味を持つ漢字や熟語は、なるべく使用しないようにして、別の言葉に置き換えましょう。
例えば「複数」は文章によって「いくつか」や「いろいろ」などに変更できます。このように漢字や熟語をなるべく簡単にするだけでも、聞きやすい原稿になるでしょう。
■1文をできる限り短くする
1つの文をできる限り短く書くことも重要です。文が長くなると、その分だけ話の要点が伝わりにくくなります。1文に伝えたい内容を複数入れないようにするだけで、より伝わりやすいナレーションになるでしょう。
また、「あれ」「それ」などの指示語を多用することもおすすめしません。音声で聞いた際に聞き取りづらく、何の話をしているのかが分かりにくいためです。
原稿の作り方で気を付けるポイント
ナレーションの原稿作りにおいて一番大事なことが、聞いた人がすぐに内容を理解できる原稿にすることです。
ナレーションは執筆された原稿をナレーターが読み、原稿の内容を音声として聞かせます。ナレーションの原稿は「読み手」と「聞き手」を意識して、読みやすく聞きやすいものを作りましょう。
また、黙読して違和感がない文章だとしても、声に出して読んでみると長すぎたり、意味が伝わりにくかったりする場合があります。そのため読み手が文字として原稿を読んだ場合でも、聞き手が音声として原稿を聞いた場合でも、分かりやすい文章にしましょう。
■声に出して読みあげてみる
原稿が完成したら、声に出して読みあげてみてスムーズに読めるかどうかチェックをします。
ナレーションは音ですから、耳に心地良く入ってくる言葉(音)でなければなりません。実際に読んだときのリズムや語感などにも気を付けて、何度も読みあげてみると良いでしょう。
ナレーターが原稿を読む場合は聞き取りやすいようゆっくり話しますので、実際のナレーションのスピードを意識して読み上げてチェックをしましょう。
■原稿を複数の方に読んでもらう
できあがった原稿を複数の方に確認してもらうことも大切です。複数の方に原稿をチェックしてもらえれば、違う観点から原稿の内容を確認できたり新しい言葉の表現方法を見付けられたりなど、より良いナレーションの原稿作りが目指せるでしょう。
また、自分自身で原稿を読むだけでは、どうしても不自然なところに気付きにくいものです。可能であれば他の方に声を出して読みあげてもらい、自分がナレーションを聞く側になりましょう。
ナレーションを聞く側になれば、自分が原稿を読んだときに感じなかった違和感に気が付くことができるかもしれません。
■映像とナレーションを一緒に流す場合
映像をナレーションと一緒に流す場合、映像の全てをナレーションで説明する必要はありません。あくまでもナレーションは、映像のフォローとして作りましょう。
映像を見ている方は、映像を見るだけでは分からない違う視点からの情報を伝えてほしいのです。
また映像にナレーションを入れるときは、映像が次の画面に切り替わる前に伝えたい情報を言い終えられるように、原稿の長さを調整しましょう。
おわりに
今回は、ナレーション原稿の、書き方と作り方についてご紹介しました。
[aside type=”boader”]「読む文章」と「聞く文章」は異なるものです。書き方や作り方のコツも違います。ナレーション原稿を作る際は「聞く側にとって分かりやすい文章」を作るように心掛けましょう。[/aside]
難しい漢字を平易なものにしたり、複数の方にナレーション原稿を読んでもらい、おかしいところがないか確認したりすることが大切です。
■ 原稿の他にも、ナレーションを依頼する上で確認することがいくつかあります。それについてはこちらの記事でご紹介しています。
ナレーション収録・録音の依頼で事前に確認しておくこと4つ
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