近年、音楽配信サービスやポッドキャストと呼ばれる音声コンテンツを利用している人が増えてきています。その音声コンテンツを利用した『音声広告』は、訴求力が高いとして注目を集めているマーケティングの手法です。
今回は、デジタル音声広告(オーディオアド)について、メリットや事例も交えてご紹介します。
音声広告とは
音声広告とは、音声のみで情報を伝え販促を行うマーケティング手法のことです。
これまでは、音声広告というと電波を通して配信されるラジオで流れる広告が一般的でした。近年は「Spotify」をはじめ、インターネットを通じて配信される定額音楽配信サービスが生まれたことによって、デジタル音声広告(オーディオアド)が普及しています。その他にも、対話型音声広告が注目されています。
デジタル音声広告(オーディオアド)
デジタル音声広告(オーディオアド)は、ラジオや音楽配信サービスの視聴中に番組の間に配信される広告のことです。デジタル音声広告は、音楽配信サービスやインターネットラジオで配信されています。
他のデジタル広告の運用と同じく、商品やサービスに応じてターゲティングすることが可能です。
対話型音声広告
対話型音声広告とは、単に音声を聞くだけではなく広告を聞いているリスナーと音声でのやり取りをする広告のことです。
広告で情報を知りたいかどうかを訪ね、リスナーが関心を持ったらさらに詳しい情報を伝えたり、会話により具体的な商品説明や別の商品を紹介したりすることもできます。今後、スマートスピーカー等から普及していくとみられる広告です。
デジタル音声広告(オーディオアド)の市場規模
デジタル音声広告(オーディオアド)が普及する今、市場規模はどのくらいなのでしょうか。以下では、アメリカと日本のデジタル音声広告の市場規模をご紹介します。
アメリカでのデジタル音声広告(オーディオアド)の市場規模
まずは、アメリカでのデジタル音声広告の市場規模を見ていきましょう。
アメリカのIAB社データが2016年~2020年までの音声広告による広告収入を発表しています。
2016年 | 11億ドル |
2017年 | 18億ドル(前年度比66%増) |
2018年 | 22億ドル(前年度比23%増) |
2019年 | 27億ドル(前年度比21%増) |
2020年 | 30億ドル(前年度比13%増) |
2021年 | 48億ドル(前年度比57%増) |
このデータからもわかるように、年々音声広告による収入が増えています。今後も需要が伸びていき、デジタル音声広告の収入が上がることが予想できます。
日本国内でのデジタル音声広告(オーディオアド)の市場規模
では、日本国内でのデジタル音声広告の市場規模はどのくらいなのでしょうか。
2019年 | 7億円 |
2020年 | 16億円 |
2021年 | 50億円 |
2020年時点で16億円規模ですが、2022年頃より急速な成長を経て、2025年420億円規模になると見込まれています。アメリカだけではなく、日本でも音声広告市場は伸びていくことが期待できます。
音楽配信サービス普及による市場規模の拡大
今では音楽を聞くのに、音楽配信サービスを利用する方は多いでしょう。また、音声コンテンツであるポッドキャストは、仕事をしたり勉強したりしながらも楽しむことができるため、認知度が上がってきています。
今後も音楽配信サービスの市場規模は衰えず伸びていくことが予想できるため、音声広告市場の拡大にも期待できます。
デジタル音声広告(オーディオアド)のメリット
デジタル音声広告を行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
情緒的訴求が可能
音声広告は音だけで商品やサービスの魅力を伝えていきます。音という限られた情報により、リスナーの想像力を刺激し、意図的に違和感を作り出しやすく接触リスナーの興味・関心をひきやすいという特徴があります。
説明的訴求より、情緒的訴求に長けているため、リスナーにクリエイティブをしっかりと届けることが可能です。
高いアドフラウドレス性(完全聴取率の高さ)
音声広告は、基本的にスキップすることができません。確実に最後まで再生されるため、ブランド訴求を目的とした広告を確実にリスナーに届けることができます。
音声広告は、このようにアドフラウドレス性が高いのもメリットです。アドフラウドレス性とは、適正ではない広告消化の発生や不正が発生しにくいことを指します。
リスナー属性によるターゲティング
電波に乗せて配信するラジオの音声広告は、固定の広告素材が割り付けられているので、番組を聞いている人すべての人に同じ広告が流れます。
一方で、プログラマティック型のデジタル音声広告は、リスナー情報を取得しています。音声メディアによっては、その情報から性別・年齢・視聴コンテンツなどによる細かい広告出稿ターゲティングが可能です。
デジタル音声広告を活用したマーケティング事例
デジタル音声広告は、実際に効果はあるのでしょうか。ここでは、デジタル音声広告を活用したマーケティング事例をご紹介します。
活用事例「Diner」ダイナー(ワーナー)
Diner(ダイナー)という映画広告の事例です。映画内のセリフをサウンドロゴのようにして、デジタル音声広告に利用しました。映画では通常録音ですが、音声広告はセリフの音声をバイノーラル化。ヘッドホンやイヤホンで聞くと、近くでしゃべっているような感覚になる音声広告です。
また、音声は予告映像から流用するのではなく、映画の特徴的なシーンだけを利用。音声に合わせた静止画も用意することで、映画の雰囲気を確認することができます。
そのおかげで、Spotify デジタル音声広告 のCTRに対して、2倍以上の数字をマークできたそうです。
Dinerの公式Spotifyはこちら
活用事例「新大学生に刺さる音声クリエイティブ」(マイクロソフト)
Microsoft Surfaceの新大学生に向けた音声広告の事例です。学生生活を始めるにあたりパソコンが必要であることを想像させるような広告を制作しました。
音声広告には、キャンペーンのテーマソングを使用し、音楽配信サイトのSpotifyになじむような形に調整。ナレーションは、Spotifyデジタル音声広告のひな型である、インパクトのある出だしから、エンドラインにメインメッセージ、URL等のクリックを促す流れにまとめられています。
17~19歳に向けて音声広告を配信した結果、広告の認知率はYou Tubeの視聴者の割合と比べて高い結果となりました。
マイクロソフト公式Spotifyはこちら
音声収録などの広告制作はジーアングル
音声広告の効果を最大限に引き出すには、音の質やナレーションの質、利用する楽曲が重要です。そのため、音声収録などはプロに任せることをおすすめします。
ジーアングルでは音声収録などの広告制作を行っております。良質な音声広告を作りたいけどナレーションはどうするべきか、悩んだときは、ぜひジーアングルにご相談ください。
まとめ
今回は、音声広告についてご紹介しました。
音声広告は、文字の通り音声のみの広告を指します。これまでは、音声広告というと電波で配信されているラジオが主流でした。近年は、音楽配信サービスやインターネットラジオが普及したことによりデジタル音声広告が増えてきています。
特に音楽配信サービスなどで配信されるデジタル音声広告は、性別・年齢・視聴コンテンツなどによる細かい広告出稿ターゲティングが可能です。そのため、高い訴求力があります。ぜひ、マーケティングの1つとして音声広告を検討してみるのはいかがでしょうか。