グラフィックデザインとはどのようなものを指すのか、今ひとつよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
デザイン業務にも、さまざまな種類があります。一般的にイメージしやすいものとしては、衣料品をデザインするアパレルデザインや建物を作る過程での建築デザイン、自動車の内外装を企画するカーデザインなどが挙げられるでしょう。
このほか広告や出版物、インターネット関連など、商品そのものの企画には含まれないデザイン業務があり、それらが一般的にグラフィックデザインと呼ばれます。
この記事では、グラフィックデザインの概要を説明しながら、企業活動におけるグラフィックデザインの活用法やデザインを外注するメリット・注意点をご紹介します。
グラフィックデザインの種類
グラフィックデザインという名称には「ビジュアルコミュニケーションデザイン」という言い換え方もあり、情報を視覚的に伝達する手段としてデザインを用いることを指します。
グラフィックデザインもデザインする対象によって細分化されており、主なものに以下の3種類があります。
商業デザイン
商品やサービスの販売促進を目的として活用されるグラフィックデザインで、代表的なものが広告デザインです。このほか、商品の梱包に施す意匠を企画するパッケージデザインや、商標となるロゴを企画するロゴデザインも商業デザインに含まれます。
エディトリアルデザイン
雑誌や新聞など、出版物・刊行物の紙面や装丁を企画するグラフィックデザインは、エディトリアルデザインと呼ばれます。
Webデザイン
Webサイト(ホームページ)の体裁や、視覚イメージを企画するグラフィックデザインです。ことさら見やすさ・操作しやすさが求められ、ユーザーの操作性にかかわる部分のデザインは「UI(ユーザーインタフェース)」という呼称で特化して扱われます。
企業における商業デザインの活用
商品やサービスを取り扱っている企業にとっては、商業デザインとしてグラフィックデザインを活用するケースが一般的でしょう。なかでも、販促活動に直接かかわってくる広告デザインが多く用いられていると思います。
また広告以外にも、企業や商品・サービスのブランディングなど、イメージ戦略にグラフィックデザインを活用するケースも増えています。イメージ戦略にグラフィックデザインを用いる場合に多用される、3つのデザインアイデンティティについて以下にご説明します。
CI(コーポレート・アイデンティティ)
CIは、コーポレート・アイデンティティの頭文字を取った略称です。具体的には、企業が持つ理念・特徴をロゴマークや特定のメッセージなどで広く発信し、消費者へ認知を促すとともに企業価値の向上を図ることといって良いでしょう。
CIという呼称は、企業のロゴマークや社名に特化して用いられる印象がありますが、実際には企業理念や企業活動の方向性、場合によっては従業員の就業規定なども含まれます。
BI(ブランド・アイデンティティ)
ブランド・アイデンティティの頭文字を取った呼び名で、具体的には商品やサービスの特徴を視覚イメージで統一して表し、特定の印象を訴求することです。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会によると「自社を、あるいは自社が提供する製品やサービスを『顧客にどう思われたいか』を明確にすること」とBIを定義しています。
VI(ビジュアル・アイデンティティ)
ビジュアル・アイデンティティ(VI)とは、CIの一環で行われるイメージ戦略で、視覚面でのイメージ統一を図って企業の印象を訴求することです。
具体的には商品や包装をはじめ、商品カタログや企業パンフレット、Webサイトのデザインなどに統一感を持たせることで、特定の企業イメージの認知を図る取り組みといえます。ひいては従業員の名刺や社屋などのビジュアルまで統一するケースもあり、それらによって消費者や社員に共通の価値観や共感を生み出します。
グラフィックデザインを制作会社へ外注するメリット
企業が活用するグラフィックデザインには、さまざまな種類がありますが、それらを自社で1から制作し展開することは、自社のリソースや人員によほどの余裕がある場合でなければ難しいかもしれません。そこで、それらのデザインを制作会社へ依頼しようと考えている方も多いと思います。
ここでは、グラフィックデザインを制作会社に依頼する際のメリットをご紹介します。
1.一定以上の品質を担保できる
デザイン制作会社へ依頼することで、デザインのプロに作業を依頼でき、それらの成果物も複数の人員によるチェックを経て納品されます。
フリーランスの個人デザイナーへデザインを依頼する方法もありますが、成果物のチェックを複数人で行えない点に不安を感じる方もいるでしょう。また人員の余裕という面で、スケジュール面である程度柔軟な対応が期待できる点も制作会社のメリットです。
2.社内デザインと異なり、固定の人件費が発生しない
常駐のデザイナーを社内に確保すると、当然ながら固定の人件費がかかってしまいます。デザイン業務を常時行う企業であれば現実的な手段ですが、実際にはデザイン業務は不定期に発生するケースのほうが一般的でしょう。
制作会社への外注を選択することで、グラフィックデザイン業務の必要性が生じた場合にだけコストをかけることができます。
3.従業員が本来の業務に集中できる
自社内でデザインを行うとなると、デザイン業務を行う期間中はデザインや進行管理の仕事を特定の社員に任せなければなりません。プラスオンの業務が増えることになるため、全体の業務量が大きくなってしまいます。
制作会社への外注ならデザインはもちろん進行管理も外注先へ一任でき、自社の社員は本来業務に集中できるメリットがあります。
グラフィックデザインを制作会社へ外注する際の注意点
企業がグラフィックデザインを制作会社へ外注することには、さまざまなメリットがあることが分かりました。ただし以下のような注意点もいくつかあるため、それらを把握しておき、あらかじめデメリットへの対処を検討した上で依頼を行いましょう。
1.情報共有に難が生じることがある
発注先が外部企業で所在地も離れているとなると、情報の共有がスムーズにできない可能性があります。要望を伝えたいときに細かなニュアンスまで共有することが難しくなり、差し戻しとそれに対する修正を何度も行う必要が出る場合があります。
依頼時にデザインのラフイメージや、制作したデザインによってどのような目的を達成したいのかといった点を細かく伝えるほか、都度オンライン会議なども活用しながら密なコミュニケーションが取れる会社を選び、情報共有に齟齬が出るのを未然に防ぐと良いでしょう。
2.費用やスケジュールに計画性が求められる
自社でデザイン行うケースと比較すると、一定の制作期間や費用が必要となる場合があります。
外注する際は予算やスケジュールにある程度の余裕を持って計画し、早めに問い合わせや相談を行いましょう。
3.情報漏えいのリスク
外注を依頼することで、アイデアや企画案をいったん自社から外に出す形になるため、万一の情報漏えいが生じてしまうリスクも想定しなければなりません。企画段階のロゴなどが公開前に他者に知られてしまうなどの恐れがあり、外注を依頼する際は信頼できる制作会社を選定することも大切です。
おわりに
この記事では、グラフィックデザインの概要と種類、デザインを制作会社へ外注する際のメリットや注意点をご紹介しました。
グラフィックデザインは、広告や商品パッケージ、企業ロゴや商品ロゴなど、企業活動に欠かせないものを生み出す作業です。デザイン制作会社へ外注することで、プロによるクオリティの高いデザイン制作が可能となります。
ジーアングルでは、さまざまなグラフィックデザイン業務を承っております。貴社のアイデアを、専門制作会社としてのヒアリング力・プロジェクトマネジメント力を生かして形にいたします。企業の新しいPR活動やCIの刷新などでお悩みをお持ちであれば、ぜひ1度お問い合わせください。