企業が公式キャラクターを作ってPRに生かす事例と言えば、お菓子などの食品やテレビ局、プロスポーツ団体などのケースがよく知られています。しかしSNSでの情報発信など、広報活動が多様化した近年では、さまざまな業種の企業がキャラクターを作って認知度向上や人気アップへ活用する例が見られるようになりました。
この記事では、企業キャラクターを新たに作る際のポイントや活用例、成功させるコツなどをご紹介します。これから新しい公式キャラクターを作ってPRに活用したいとお考えの企業様はぜひご参考にしてください。
現代の企業キャラクターの傾向とは?
企業キャラクターにも時代を反映した特徴がありますが、最近生み出されている企業キャラクターにはどのような傾向があるのでしょうか。
「ゆるキャラ」より人型キャラクターが増えている
一時期「ゆるキャラ」と呼ばれる、動物や架空の生物をモチーフとしたキャラクターが大流行しました。キャラクタービジネスの世界では今も根強い人気のゆるキャラですが、こと企業キャラクターでは現在、ゆるキャラより「人型」のキャラクターが増加傾向です。
人型キャラクターはポーズや表情に差分をつけやすく、シーンに合わせ応用しやすい点が好まれているポイントです。また最近は、動画コンテンツの進行役を投稿者に代わって務める漫画・アニメ風の人型キャラクター「Vtuber」が人気を集めています。このため、企業動画コンテンツに「企業オリジナルVtuber」を登場させるスタイルでのキャラクターの宣伝活用も盛んになりつつあります。
企業キャラクターの活用例
企業が公式キャラクターをPR材料として活用可能な場として、以下のようなシーンが挙げられます。
製品パッケージ
もっともシンプルで伝わりやすい手段の1つは、自社製品のパッケージに企業のオリジナルキャラクターをあしらうことでしょう。どのような製品の梱包にも目印のように同じキャラクターを表示することで、自社の製品だと説明抜きでアピールできます。また、消費者がキャラクターに魅力や親しみを感じることで、製品を積極的に手に取ってもらえる可能性もあります。
広告(テレビCM、Web広告、YouTube広告など)
テレビCMや紙面広告に企業キャラクターを登場させるのは、従来から取り入れられてきた伝統的な手法です。しかし近年ではそれらの広告手法のほか、YouTubeなどの動画コンテンツやコンテンツ内に挿入される動画広告、Webサイト上の広告によるPRなども加わっています。
SNS運用
企業プロモーションにおいて、現在もっとも注目されている手法の1つが、SNSを活用したPR活動です。最近では企業公式SNSアカウントと並行し、企業キャラクターを前面に出した別アカウントを運用するケースも見られます。キャラクターがフォロワーに語りかける体裁でのSNS投稿などが人気を博し「バズる」事例も生まれています。
グッズやスタンプなどの展開
広告やSNSによるPRで人気に手応えを感じたら、グッズを制作して懸賞やノベルティなどのPR企画に生かすことも可能です。またキャラクターのLINEスタンプを配布・販売するなど、多彩な展開の実施に乗り出すことも手でしょう。
企業がオリジナルキャラクターを作るメリット
企業がオリジナルキャラクターを広告やインターネット上で展開するPR戦略には、以下のようなメリットがあります。
認知度・親しみやすさの向上
企業の認知度を上げるには、社名やブランド名を直接覚えてもらうことのほか、CIやサウンドロゴなどで視覚的・聴覚的に企業を印象付ける手段もあります。キャラクターによるPRは、視覚的効果で認知度向上を図る手段の1つにあたります。また、ユーモラスなキャラクター像が親近感を与えることで、企業自体に愛着や親しみやすさを感じてもらえる効果にもつながるでしょう。
マーケティング・ブランディングへの利用
キャラクターの人気が上がることで、キャラクター自体がブランド力や集客力を得られる場合があります。企業本体のマーケティングやブランディングにその人気を生かせれば、さらなる効果が期待できるかもしれません。
他社との差別化を図れる
事業において他社との競合が増えるほど、消費者が競合対象を積極的に比較せず「どれを選んでも一緒」と感じてしまう「コモディティ化」の懸念も大きくなります。このコモディティ化対策にも、企業キャラクターの展開が役立つことがあります。キャラクターが良い印象を与えることで、「好きなキャラを展開するこの企業の製品を選びたい」と感じてもらえる可能性もあるためです。
新規事業創出の可能性
キャラクター自体の人気が確実なものとなれば、異業種とのコラボ企画や独立したキャラクタービジネスなど、新事業の展開につなげられる場合もあります。実際に、ポイントカードや鉄道事業者、地方テレビ局のマスコットキャラクターなどの、ぬいぐるみ・雑貨などのグッズ販売やLINEスタンプが人気を博しています。
企業キャラクター作成の失敗例から見る、成功させるためのポイント
さまざまな活用ができる企業キャラクターですが、キャラクターを新規制作したものの「今ひとつユーザーに印象を残せていない」といった結果となることもあり得ます。ターゲットや社風を意識せずなんとなく作成したキャラクターでは、見た人へ強いインパクトを与えられないかもしれません。
多くの消費者の目に留まり、愛されるようなキャラクターを創生するには、色の使い方や描線の強弱など、デザインのコツを押さえたキャラクターデザインが必要になるでしょう。
ここでは企業キャラクターの失敗例を踏まえながら、成功のコツをご紹介します。
失敗例1:企業との関連性が分かりにくい
キャラクターをひと目見て「何を表すキャラクターか」がすぐに伝わらなければ、マーケティング効果も薄くなってしまいます。企業の製品や社風に合わせたキャラクターのコンセプトやストーリーを明確にし、デザインに落とし込むことが重要です。
失敗例2:他のキャラクターに類似している
キャラクターは著作物であり、そのデザインは著作権で保護されています。新規キャラクターを作る場合、他のキャラクターやその他の著作物と似たデザイン・造形にならないよう、十分な配慮が必要です。ユーザーの指摘による炎上や、稀ですが訴訟に発展したケースもあり、そのような場合キャラクターを使い続けられなくなるだけでなく、企業のイメージダウンも避けられません。
自社でキャラクターを作るには厳密なチェック体制の整備や、魅力あるオリジナルのキャラクターを生み出せるデザイン力が必要となるでしょう。
企業キャラクターの作り方
ここでは、企業のキャラクターを作る具体的な方法について見ていきましょう。企業キャラクター制作のおもな方法には、以下の3つがあります。
自社内で作成
デザインなどの作業をすべて社内で行い、1から内製する方法です。外注しないことでコストは抑えられますが、前の項目の失敗例でご説明したリスクの面で不安を感じる場合もあると思われます。
フリーランスのクリエイターへ依頼する方法
個人でデザイン業務を請け負っているグラフィックデザイナーやイラストレーターに、直接作業を依頼する方法です。クリエイターの技量や経験値次第とも言えますが、成果物の品質や作業進捗の管理などに懸念が生じる可能性もあります。
デザイン会社へ依頼する方法
デザインの専門会社へ依頼し、打ち合わせなどを経て作業を一任する方法です。プロが在籍するデザイン会社ならではの高いクオリティやスケジュール管理が見込めるため、もっとも安心できる方法と言えるでしょう。
おわりに
企業キャラクターによるPR活動や広告展開にはさまざまなメリットがありますが、制作時には留意すべき点も少なくありません。企業キャラクター制作には複数の手段があるなかで、おすすめの方法はやはりキャラクターデザインのノウハウや実績を持ったデザイン会社へ依頼することでしょう。
ジーアングルでは、目的に合った企業キャラクターデザインの考案やポーズ違いの複数カットのご納品はもちろん、貴社の既存キャラクターの別ポーズのカットのご納品や、既存キャラクターのお友達や家族といった関連キャラクターの新規作成も承っております。
特にVtuberのデザイン実績は多数ございますので、アニメ系の人型キャラクターを企業PRに活用したいとお考えでしたら、ぜひご相談ください。