グローバル時代ともいわれている現代では、映像資料を制作する際に、自国語はもちろん、英語やその他の地域の言語をナレーションに取り入れる場合もあります。国際化が進む上で多言語対応をしていくことは重要です。そこで今回は、多言語翻訳対応の背景やメリット、多言語翻訳を使用したナレーション制作依頼やその費用についてご紹介します。
多言語翻訳とは?
世界でも多くの方が話している言語には中国語や英語、スペイン語などがあります。しかし、日本のように上記以外の言語を公用語として使用している国も多数存在しています。多言語翻訳とは、このような多岐にわたる言語の翻訳を行うサービスのことです。
多言語翻訳サービスで対応可能な言語数は、各社によって異なります。英語が未対応の業者はあまりありませんが、例えばヒンディー語やアラビア語、クロアチア語、ラオス語のような言語は、比較的ニッチな分野です。そのため、対応が難しいとする業者も少なくありません。
また、多言語翻訳付きのナレーションサービスも存在しますが、この場合、その言語を話せるナレーターの手配が必要のため、対応言語数は少ないことが一般的です。
多言語対応が求められる背景
現代の日本において、訪日・在留外国人の増加に伴い、観光などの消費規模だけでなく生活に必要な手続き等を行う公的機関における多言語対応のニーズも急増しています。訪日外国人観光客の数は16年間で6倍も増加し、それに伴い消費額も大幅に増加しており、2019年には過去最高額となる約5兆円規模にも達しました。(2020年以降は感染症の影響で低迷)また、日本で暮らす在留外国人に関しても令和2年末時点で288万7116人となっています。(法務省令和3月31日発表)
また近年、テキストと比べてユーザーに伝わる情報量が多い「動画」のビジネスへの活用が増加していることも多言語対応が求められる理由の1つといえるでしょう。
2020年以降新しい生活様式が定着した影響もあり、ますます動画コンテンツの需要が高まっています。
生活面・ビジネス面においてもグローバルで自由な交流を実現するために、「言葉の壁をなくす」多言語対応が求められています。
多言語対応のメリット
上述のようにインバウンド対策として多言語対応は重要となっています。メリットは主に3つあります。
・業務効率化
・売上の増加
・リピートが期待できる
・業務の効率化
外国語が堪能ではないスタッフが訪日外国人の対応をする場合、外国人からの問い合わせ内容を理解するまでに時間がかかり、さらに対応するまでに時間もかかることになります。
そのため、外国語を理解していなくてもある程度の問い合わせが生まれそうな事柄については多言語化をしておくと便利です。例えば、トイレの場所を多言語で表示しておいたり、観光案内などを多言語でアナウンスを流したりするだけで、スタッフの対応を省くことができ一定の業務効率化が期待できます。
・売上の増加
商品の情報やメニューなどが多言語でわかりやすく表示されていることは、訪日外国人の購買意欲の増加にもつながります。多言語化されることで商品のことを理解でき、商品のメリットが伝われば購買意欲が湧きあがります。そのため売上の増加にもつながるといえるでしょう。
・リピートが期待できる
訪日外国人に日本の旅行のしやすさも印象づけることができます。ビジネスにおいては多言語化により、より多くの方に伝えたいことをそのまま現地の言葉で伝えることが可能です。多くの方に同一の事を伝えることができるため、良さが伝わり、共感した方からリピートも期待できます。
ビジネスにおいての多言語化のメリット
多言語化のメリットはビジネスにおいても存在します。
海外企業を誘致するために必要な素材を整備したい、など海外企業の誘致を成功するための必要な素材としてパンフレットの翻訳や国際ビジネスフェアなどの資料翻訳、PR映像字幕の翻訳やナレーションなど、ビジネスにおいても多言語化のニーズはますます顕在化しています。
このように多言語化はインバウンド対策においてもビジネスにおいても欠かせない必要な要素の1つです。ただし、多言語対応には費用も時間もかかります。
多言語翻訳のナレーション費用はどの程度かかる?
翻訳の仕事は、需要と供給のバランスによってコストが決まっています。そのため、翻訳家・ナレーターが少ない言語の場合は費用が高くなる可能性があることも考慮しなくてはなりません。
シナリオ翻訳における費用は言語で変わる?
多言語翻訳でシナリオ翻訳を行う場合、言語によって費用は大きく異なります。例えば英語翻訳が1ワード10円程度だとすると、ヨーロッパ・北米・南米圏の言語(スペイン語やオランダ語など)はおよそ3倍の金額になることもあるのです。その他、インド諸言語や中近東、アフリカ地域の言語(トルコ語を除く)は、さらに高い金額になることもあるでしょう。
一般的な外国語ナレーションとの費用感の違い
単純な翻訳だけでなく、ナレーションも依頼すると、その言語を話せるナレーターが必要になるため、さらにコストが掛かります。一般的な外国語ナレーション(英語や中国語、韓国語など)は1時間数万円程度ですが、ニッチな言語の場合は1時間10万円以上掛かることもあるでしょう。
多言語翻訳ナレーションを依頼するには?
多言語翻訳ナレーションを依頼するためにはどのようにすればよいでしょうか。
ナレーターを探す
翻訳した言語を話せるナレーターを探しましょう。
ナレーターを探す場合は、キャスティングなども行っている制作会社がおすすめです。
必要な言語の数だけ翻訳原稿を用意する
必要な言語の数だけ、翻訳した原稿を用意しなければなりません。
一度に対応していただけるため、対応する言語が多い制作会社がおすすめです。
また、翻訳から行ってもらう場合は、日本語原稿をもとに外国語に翻訳され、原稿をもとに見積もりを作成してもらい、料金について相談を行います。翻訳する言語によって料金が異なることもあるため注意しましょう
ナレーション収録における注意点
次に、多言語翻訳を使用したナレーション制作における注意点についてご紹介します。ポイントになることは、シナリオ翻訳とナレーション制作時のチェックです。
正しいコンテンツとして伝わるか
まずは、コンテンツ内容が正しく翻訳されているかどうかの確認をしましょう。なぜなら、翻訳されたものが意訳となる場合も考えられるためです。外国語ナレーションにおいて大切なことはコンテンツを「正しく伝えること」です。
翻訳が意訳されている場合、伝えたいものとは異なる方向で意訳される可能性もあります。制作する目的や訴求ターゲットを踏まえ、適切な表現かどうかニュアンスも含めて打ち合わせをしましょう。
万が一、誤った情報が現地の方に伝わってしまうと、コンテンツで伝えたかったものと異なる映像になる恐れもあります。シナリオ翻訳の時点でしっかりチェックすることで、希望に沿ったナレーションをしてもらえるでしょう。
原稿のネイティブチェックは重要
多言語翻訳を行う多くの場合、訴求ターゲットは現地の方です。そのため、聞き取りやすさを考えたネイティブな発音が求められます。例えば日本人が、外国人が書いた、あるいは話した日本語の文章を見たり聞いたりする際、意味は分かるが不自然な文章と思う場合がございます。一つひとつの言葉の意味はあっていても文章全体として読んでみると違和感を覚えることは、母国語としてその言語を使用している人が感じるものです。
また、国の違いは言葉だけではありません。習慣や文化なども、多言語翻訳およびナレーション制作においてはチェックが必要です。その国でタブーとされているような話題や、失礼な表現がないか、厳密なチェックができる会社に製作依頼をしたほうが良いでしょう。
外国語ナレーションの依頼はジーアングルへ
ジーアングルでは外国人旅行者向けのガイダンスをはじめ、企業説明、商品説明など多岐にわたる外国語によるナレーションの実績がございます。上述のとおり、外国語ナレーションにおいて何より大切なことは「正しく伝えること」です。ジーアングルでは原稿・台本の翻訳からナレーターの手配、収録までワンストップでご提供いたします。
伝えたいことを現地の言葉で的確に表現するナレーションをご希望の方はぜひジーアングルにご相談ください。
お客様の思いを正しく伝えるナレーションを実現いたします。
おわりに
今回は、多言語翻訳を使用したナレーション制作についてご紹介しました。
今後、さらに国際化が進むと多言語翻訳の重要性は高くなるでしょう。しかし、スタッフがその都度、現地の言葉を習得するのはハードルが高く、教育コストも無視できません。そのため、多言語翻訳とそれに伴うナレーション制作は、将来的により需要のあるサービスとなることも考えられます。ただし、翻訳する際は意訳などコンテンツが正しく伝わる形であるか、ネイティブチェックも含めて必要といえます。
そのため、多言語翻訳に対応している制作会社に依頼することがおすすめです。制作会社に多言語翻訳を依頼する場合は、打ち合わせを綿密に行い、伝えるべき内容に合った翻訳がされているか、確認をしましょう。