2017年4月にユーザー数が7億人を突破したInstagram(インスタグラム)。日本でも約1,600万人のアクティブユーザーがおり、SNSとしてもメディアとしても、日に日にその存在感を増してきています。特に2017年3月に「ストーリー」内で広告配信が可能になったことで、注目度はさらに上がっているでしょう。
今回は、そんな「ストーリー」での動画広告配信におけるメリットとデメリットについてご紹介します。
Instagramのストーリー広告とは?
ストーリー機能について
「ストーリー」とは、通常フィード領域(タイムライン)とは別に、24時間限定で写真や動画の投稿・共有やライブ配信ができる機能です。フィード画面は時系列で投稿が流れますが、ストーリーは画面上部の別枠に表示されるものとなります。
ストーリー広告の特徴
ストーリー広告は、その名の通りInstagramのストーリー機能に表示させる広告のことで、企業アカウントをフォローしているユーザーに対して配信されます。Instagramでは写真や動画を配信することができますが、以下は動画を中心にご紹介します。
ストーリー広告ではタテ型のフルスクリーンで写真または動画が表示され、動画の長さは5〜15秒です。また、広告を掲載してから投稿内容が24時間で消滅し、記録にも残らないということが最大の特徴でしょう。
一般の投稿とストーリー広告は、広告の下部には「sponsored」という記載でみわけることができます。
ストーリー広告の背景
現在、Instagramユーザーの7割近くが、何らかの企業アカウントをフォローしているとされています(2017年6月時点)。
また、ストーリー広告は、従来の受け身で受信していた広告と異なり、自身が興味のある企業をフォローし、能動的に見る広告です。このことから、Instagramユーザーはストーリー広告に対して比較的好印象であるといえるでしょう。
Instagramのストーリー広告のメリット
ストーリー広告には、3つのメリットがあります。
以下では、Instagramのストーリー広告のメリットをご紹介します。
【1】ターゲット設定が可能
まずは配信にあたって、Facebookと同様にターゲット設定が可能であるため、商品やサービスに合わせた適切なターゲットに向けた配信をすることができます。
【2】広告測定ツールが備わっている
また、企業アカウントには「インサイト」という広告測定ツールが備わっており、想定したターゲットやペルソナにどれだけ訴求できているかを把握することが可能です。
【3】エンゲージメントが高くなりやすい
上記の測定機能に加え、24時間限定の掲載という特徴により、ユーザーの反応を元に、配信するコンテンツを細かに作り変えながら反応を見るということができます。
反応が良かったものはさらに作り込んで、フィードや履歴に残すものとするなど、今後の広告戦略を試す場として活用する企業も増えています。何より、ストーリー広告を閲覧するためにはストーリーをタップして能動的に見にいく必要があるため、従来の広告と比較し、企業に対してのエンゲージメントが高くなりやすいというメリットもあります。
Instagramのストーリー広告のデメリット
多くのメリットがあるストーリー広告ですが、もちろんデメリットもあります。
以下では、ストーリー広告の2つのデメリットをご紹介します。
【1】ユーザーの目が慣れている
前述した通り、現在Instagramのユーザーの7割近くが何らかの企業アカウントをフォローしています。アカウントを持っている各社は、細かに設定したターゲットに向け、趣向を凝らしたコンテンツを配信しています。そのため、ユーザーが共感できるコンテンツでないと、良質なコンテンツを見慣れたユーザーには、期待した効果を得ることが難しくなってきているでしょう。
【2】広告色の強いものは好まれない
ストーリー広告は傾向として、ビジュアル的に優れたものや、その特性により一般の動画広告のように作り込まれたものはあまり多くありません。はっきり広告とわかるようなものより、普段の企業アカウントで見えない「瞬間」や「裏側」を配信するものが増えてきています。
ストーリー広告は従来の広告とは異なるものと捉え、ターゲットに合わせたコンテンツを制作するようにしてください。
おわりに
今回は、Instagramのストーリー機能を利用した動画広告についてご紹介しました。
Instagramは、従来の創作物を計画的なスケジュールで発信するような広告媒体と異なり、タイムリーに次々とコンテンツを制作することが求められる媒体です。日本でストーリー広告を活用している企業はまだ多くないため、今から取り組んでおけば、企業として得られるメリットは大きいでしょう。